ママ自身の悩みは”感情”に関することが多い そのトップ3とは
私は日ごろ、育児ストレス度チェックや心理カウンセリングなどを通じて、子育てにまつわる色々なお悩みを聞きます。それらは1つとして同じものはないのですが、よく見ると、その方向性が大きく2つに区分できることに気づきます。
まず1つめは、お子さんのことに関して悩んでいるケース。育児相談なのだから当たり前といえば当たり前ですが、「うちの子、○○で困っているんです」というパターンです。
もう1つが、ママ自身のことで悩んでいるケースです。もしかしたら、お子さん自身のお悩みよりも、多いかもしれません。
そもそもはお子さんのことで悩み、そのことに悩み過ぎて、ママが参ってしまうパターンです。負の感情が次から次へと出てきている状態なので、より深刻なケースも多く見られます。
ママが自分のことで悩むときの傾向トップ3
ママ自身のお悩みというのは、感情に関することが圧倒的です。
そのトップ3は、
- イライラ
- 自己嫌悪
- 不安
イライラは、広く深い内容なので、また別に機会にフォーカスすることにし、今日はこの中の”不安”と”自己嫌悪”について取り上げていきたいと思います。
- 自己嫌悪感
- 不安感
どちらも気持ちがしずんだイメージがあると思います。
同じ負の感情でも、
- イライラ感は「動」の負の感情
- そして、自己嫌悪や不安は「静」の負の感情
とも表現できるかもしれません。
自己嫌悪は過去を、そして不安は未来を…
では、自己嫌悪感や不安感というのは、どういうときに発生しやすいのでしょうか?
人間は、
- 「過去」に対してネガティブな思いを持つと、それは「自己嫌悪」や「後悔」として現れます。
そして、
- 「未来」に対してネガティブな思いを持つと、それは「不安」として現れます。
そうです。この2つの負の感情は、見ている時間軸が違うネガティブ同志。「過去」「未来」への「どうしよう…」が生み出す感情です。
自分がやったことを心の中でダメ出しすると自己嫌悪に
「自己嫌悪」は、過去に対して起こるものであり、起こったことを暗く見ることで引き起こされます。
「あの時、○○すればよかった」
「さっき、○○したのは失敗だった」
「もっと○○すべきだった」
「もっと○○すべきでなかった」
と、頭の中で過去の出来事を思い起こし、自分にダメ出しを加えていくことで、自己嫌悪に陥ってしまいます。このダメ出しは、かなりの「酷評」です。他の人に対しては、ここまでひどく言わないようなことを、自分に対して、バンバン言ってしまうために、自分への嫌悪感が出てしまうのです。
不安になりやすい人は「もしも」フレーズが心を支配しがち
以前の心理療法では、過去の出来事にどっぷり浸かるタイプのものもありましたが、心理学が発展した現代では、過去を掘り返すのは賢明ではないとされています。
今の心理学は、「過去に起こったことは変えられない」「でも、過去に起こったことを今どう捉えるかはいくらでも変えられる」というスタンスを取っています。
また、「不安」は、未来に対して起こるものであり、先々を暗く見えることで引き起こされます。
「明日、〇〇だったらどうしよう」
「来週、〇〇だったらどうしよう」
「来年、〇〇だったらどうしよう」
「将来、〇〇だったらどうしよう」
こうやって、未来を悪い方に考えてしまうことで、不安が出てきてしまうのです。
不安に陥りやすい人は、まだ起こっていないことを先取りして、「もしも」を考えることクセになっているため、他の人よりも頻繁に不安を感じてしまいます。
自己嫌悪型・不安型、どちらもこうできるとラクになる
先取りして動くことは、悪いことではありません。リスクを減らしたり、危険を回避するのに役立つスキルです。でも、あらゆる「未確定要素」に、「もしものとき」をかけあわせていたら、やはり心が疲れてしまいます。
- 自己嫌悪型
- 不安型
このどちらのタイプもが、おろそかにしていることがあります。
それは、「今」を見ることです。
起こったことにくよくよしているとき(過去)、起こってもいないことでモヤモヤしているとき(未来)、目の前でお子さんが遊んでいても、なんとなく見ているようで、心は上の空になってしまいがちです。大切なのは、お子さんの今、そして、ママの今です。
少し前に流行った「今でしょ」、育児で大事なのも、「今を見ること」。心がもやもやしているときは、自分の心の時間軸がどこをフォーカスしているのかチェックしてみると、それだけで少し客観的になれるので、「今を見よう」という意識がしやすくなると思います。