【叱らない子育て】やり方を間違えると結果的に子供がかわいそう…
今回は、自己流の「叱らない子育て」がもたらす子供への影響についてお伝えしていきます。
間違った”叱らない子育て”がもたらす弊害
今回フォーカスする自己流の「叱らない子育て」とは、端的に言うと、言葉通りの叱らないことに終始した子育て法を指します。
もし、このやり方を続けるとどうなるでしょうか?
この接し方では、その場の問題を黙認し、結論を先送りにしているに過ぎないため、のちのち矛盾が出てくることになります。
なぜなら、自己流の叱らない子育てでは、「叱らないこと」が基本なので、親が適切な指示を出せていないことが多いからです。そのため、受け手である子どもには「何がダメ」で「何がOKか」が伝わっていません。よって、だんだん親が期待していることと、子どもがやることにずれが出てくるようになります。
このポジ育ラボの他の記事で、「叱らない子育て」にも、正しい「叱らない子育て」と間違った「叱らない子育て」があるとお伝えしていますが、この2つの大きな違いは、「目の前の問題にきちんと働きかけられているかどうか?」にあります。困りごとはそこにあるのに、働きかけがなければ、子どもは上手に学ぶことはできないのです。
「いつか学んでくれるはず」は楽観視しすぎ
たとえば、「公園ですべり台の順番を守らずに横入りした」とします。
それをママが、
- 「まだ小さいうちはこういうこともある」
- 「今はまだ言っても分からない」
- 「だんだん学んでいくはず」
のように捉え、何も注意せずにいると、その子は、順番を守らなくても問題はないと解釈するようになってしまいます。そしてそのまま成長していってしまったら、どうなるでしょうか?
自分中心に物事を考えることが、その子の「標準設定」になってしまいかねません。クラスで、家庭で、外遊びで、わがままを通そうとすれば、間違いなくトラブルになるでしょう。そして、しょっちゅういざこざを起こしていると、「できれば関わりたくない」とさえ思われてしまいかねません。
子供たちは正直です。大人のような政治や根回しはありません。イヤな相手、問題を起こす相手、協調性がない相手は、だんだんと距離を置きたくなるものです。
こうならないためにも、小さいながらも、社交が始まったら、ルールを教えてあげることは大事なことです。
しつけの開始年齢とどんなしつけからスタートすべき?
私はしつけに関する心理学をテーマにした記事を多く執筆していることもあり、よく聞かれるのが、「しつけは何歳からスタートしたらいいですか?」という質問です。
私はその質問には、「お子さんが、自分で動き回れるようになったら」と答えています。自ら動けるようになるのは、だいたい1歳半くらいからでしょうか。
歩き始めることで、お友達と遊んだり、手を伸ばして物を取ったり、高いところに上ったりと、世界が広がります。広がる分、最低限守るべきことが発生してくるからです。
- 自分への危険
- 相手への危険
これがそのポイントです。具体的には、
- とがっているもの(包丁、ハサミ)
- 熱いもの(火、鍋)
- 高いところ(はしご、遊具)
- 速いもの(車、その他乗り物)
などが挙げられるでしょう。これらから、自分を守り、相手をさらさない、これはしつけの第一歩として非常に重要です。
動けるようになったらちょっとのガマンは時に必要
1歳代からしつけをスタートと聞くと、「早いなぁ」と感じる方もいらっしゃるでしょう。でも生まれたばかりの赤ちゃんとは違い、自らなんとかやろうとする”可動性”を身につけた以上、やはりルールや約束は必要になってきます。
もしそれを伝えぬまま、外で遊ばせたら、何でも好き放題、ときにその場で一緒になった子に「イヤだ」と思うことをしてしまうかもしれません。それだけでも大きな弊害ですが、問題はそこで終わりません。その場では相手の子がイヤな思いをしますが、ゆくゆくは、その子自身も、お友達とうまく関われないためにイヤな思いをすることになるからです。
そうです。間違った叱らない子育てをやってしまうと、結局はその子がかわいそうなのです。
そうならないためにも、公園や児童館などの「社交の場」では、黙認せずに、関わってあげるようにしていきましょう。何もたくさん我慢させる必要はありません。でもちょっとの我慢は、1歳の子であっても必要になってきます。それがやがてその子の自制心や満足遅延耐性という大切な資質につながっていきます。